2005年04月29日

脱線、時速120キロ程度でも…JR試算を下回る

脱線、時速120キロ程度でも…JR試算を下回る

 兵庫県尼崎市のJR福知山線で25日朝に起きた脱線事故で、現場の右カーブで脱線が起きる恐れが生じる危険速度は、JR西日本が発表した「時速133キロ以上」よりも実際にはかなり低いことが28日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで明らかになった。


 事故調の解析では、同社が危険速度を計算する際、乗客はゼロとし、気象条件を一切無視するという非現実的な想定をしており、同社の試算は「机上の空論」に近い。専門家は、実際には時速120キロ程度で転覆脱線が起きる危険性があり、急ブレーキなどの悪条件が加わればさらに低速でも脱線が起きていたと指摘している。

 JRが危険速度を公表したのは事故当日の会見。制限速度70キロの現場カーブについて「計算上は133キロで脱線する」と発表した。事故を起こした207系車両の最高速度は120キロとし、速度超過が脱線の原因にはならないかのような主張だった。

 しかし事故調が改めて同社の試算を解析した結果、133キロは脱線の危険速度ではなく、脱線よりも重大な転覆の恐れが発生する「限界速度」だった。さらに試算は、空車を想定したうえ、レールや車両への影響が大きい横風や湿度などの気象条件を排除していた。

 実際には、事故当時の車両は満員状態に近かった。電車は乗客が多いほど、重心が高くなって不安定さが増す。また制限速度を超える約100キロでカーブに進入したため、想定より4倍の遠心力がかかっていたうえ、急ブレーキも加わり、事故車両はJRの「理論値」よりはるかに不安定な状態だったと事故調は見ている。

 「交通安全環境研究所」の松本陽・交通システム研究領域長も、「実際の転覆の限界速度は、高くても120〜125キロ程度だったのではないか」と指摘。これに急ブレーキなどの悪条件が加われば、限界速度はさらに低くなるという。

 事故調では今後、最初に転覆脱線したとみられる先頭車両の損傷状況の調査を実施。事故発生当時の乗客数や気象条件などを前提として、「机上の空論」ではない実際の限界速度を算出する方針だ。

 JR西日本は事故後、危険速度は時速133キロとするとともに、線路上の置き石が脱線の引き金になったかのように発表していた。これについても事故調は28日、置き石があった可能性を全面的に否定した。

 事故調は、レール上にあった白い粉を鑑定した結果、外部から持ち込まれた物体ではなく、線路内のバラスト(敷石)が車輪に踏みつぶされたものと断定。また、先行電車が通過後の短時間に、石をレール上に並べることはほぼ不可能で、「テロやいたずら目的とは考えにくい」としている。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

JR西日本の実態と経営・恐ろしさ・そして日本の方向 福知山線脱線事件の背景
Excerpt: 〓JR西日本の実態 JR西日本という会社は旧国鉄で、1985年に分割・民営化している。 旧国鉄は非常に大きな債務を抱えており、その一部は税金で負担されている。 JR西日本も決して資産的に良い..
Weblog: かめさんのつれづれなるままに
Tracked: 2005-04-29 13:22
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。