2005年05月13日

激突衝撃は700トン…柱直撃ならマンション崩落も

激突衝撃は700トン…柱直撃ならマンション崩落も

 兵庫県尼崎市のJR福知山線事故で、激突した快速電車の1両目が、左右に数メートルずれてマンション1階の柱を直撃していたら、柱の損傷でマンション全体が傾き、さらに複数の柱が損傷を受けた場合には崩落の恐れもあったことが13日、国土交通省の現地調査で分かった。

 マンションの柱の設計強度は約300トンだが、1両目が直撃した場合の衝撃は、これを大きく上回っていたとみられる。専門家は「建物の設計で電車が激突するような事態は想定外」と指摘している。

 国交省は4月27日、マンション(鉄筋コンクリート9階建て、47世帯)の被害を確認するため、同省国土技術政策総合研究所と建築研究所(独立行政法人)の専門家計2人を派遣。この結果、マンション1階部分に6〜8メートル間隔で立っている14本の柱(幅約1メートル)に大きな損傷は見つからなかった。

 1両目(高さ3・5メートル)は横倒しになった後、8メートル間隔の柱の間を縫うように突入。一方、2両目は北の角の柱を直撃したが、構造的に柔らかい車体側面からぶつかったため、衝撃は電車側が吸収した。建築研究所の福山洋・上席研究員によると、柱に大きな損傷が出なかったのはこの両条件が重なったためという。

 同マンション(2002年11月完成)は阪神大震災級の地震に持ちこたえるため、1階柱は横からの約300トンの力に耐える設計。一方、交通安全環境研究所(独立行政法人)の谷口哲夫・自動車安全研究領域長の推計によると、2両目の衝突の衝撃は最大700トン以上。1両目は駐車場内の自動車がクッションの役目を果たしたため同260トン以上だったが、柱を直撃したら、この数字をはるかに上回っていたとみられる。

 このため福山上席研究員は、1両目が左右数メートルずれて柱を直撃した場合、建物を支える要となる角の柱が損傷し、マンションが傾くような被害が出ていたことは確実とみている。さらに2両目が別の柱を傷つけ「両隅の柱がともに損傷を受けていれば、上階が崩落した危険性があった」と同上席研究員は指摘する。

 また駐車場の車から漏れたガソリンに引火し火災が発生していたら、鉄筋コンクリートの強度が大きく低下し、建物の被害が拡大していた可能性が強い。

 建築基準法は建物に耐震性を求めているが、それ以外の衝撃には基準を設けていない。和田章・東京工業大教授(建築構造学)は「今回の急カーブ付近のように危険な場所では、設計者や建築主が自主的に強い建物にするしかない」と話す。
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