2005年05月12日

戻った時もオーバーラン「急発進、急停車」乗客証言

戻った時もオーバーラン「急発進、急停車」乗客証言

 兵庫県尼崎市のJR福知山線の脱線事故で、快速電車が伊丹駅で約70メートルオーバーランして正規の停止位置に戻る際に再び行き過ぎる「逆オーバーラン」をしていたことが12日、複数の乗客の証言でわかった。

 急発進でバックし、かなりのスピードが出ていたという。県警捜査本部は、高見隆二郎運転士(23)(死亡)が遅れたダイヤの回復を焦ってミスを重ねたと判断。高見運転士の事故当日の運転操作について詳細に調べている。

 調べや乗客の証言などによると、快速電車はそれまでの停車駅で乗客の乗り降りによるドアの開閉に手間取るなどして約30秒遅れで伊丹駅に到着。その際、3両半分(約70メートル)オーバーランし、非常ブレーキを作動させて停車した。

 高見運転士は本来の停止位置に戻そうとバックさせたが、再び行き過ぎ、急停止したという。「逆オーバーラン」の距離について、乗客らは「2メートルほど」「1〜2メートル」などと証言している。

 乗客の男性会社員(32)は「これまでにも福知山線で4、5回オーバーランを体験したが、今回は経験したことがないほどの急発進、急停車のバックだった」と証言している。

伊丹駅で遅れ常態化 尼崎JR事故

伊丹駅で遅れ常態化 尼崎JR事故


 尼崎JR脱線事故で、快速電車がオーバーランした宝塚線(福知山線)伊丹駅で、通常二十秒の停車時間を十五秒に短縮していたことが十一日、兵庫県警尼崎東署捜査本部などの調べで分かった。同駅では快速電車の到着遅れが常態化。停車時間短縮やその後の直線区間の高速走行と遅れを取り戻す「回復運転」が頻繁に行われていたという。事故を起こした快速電車も同駅に約三十秒遅れで到着。オーバーランでさらに時間をロスし、一分半遅れで出発しており、捜査本部は、発着に手間取った焦りが、高見隆二郎運転士(23)=死亡=の運転に影響、現場カーブでの速度超過につながったとみて調べている。

 調べでは、事故を起こした快速電車は宝塚駅を出発後、中山寺、川西池田に停車し伊丹駅に到着。この時点で定刻より約三十秒遅れていたという。さらに、乗客の目撃証言で約八十メートルというオーバーランを起こしたため、約一分半遅れの同駅出発となった。

 伊丹駅への快速電車の到着遅れは、二〇〇三年のダイヤ改正で、宝塚―尼崎駅の所要時間を変えぬまま、中山寺が停車駅に加わったことなどが影響し、常態化。大半が、停車時間を所定の二十秒から十五秒に短縮していたといい、事故車両の車掌(42)も調べに対し、「階段付近にかなりの客がいたが、(遅れを取り戻すため)十五秒で対応した」と供述しているという。

 複数の運転士によると、停車時間の短縮や高速走行による「回復運転」は、運転士や車掌の裁量で決めていたという。伊丹駅から約四・三キロの直線区間では「頻繁に制限速度ぎりぎりまでスピードを上げていた」と証言している。

 捜査本部は高見運転士もこうした“運転士の常識”に基づいて回復運転を行い、常用ブレーキをかけるポイントがずれるなどして、十分減速できぬまま百キロ超のスピードでカーブに進入、脱線したとの見方を強めている。一方、同電車は、ダイヤ編成上、宝塚―尼崎間の運転時間を十六分二十五秒と設定され、同区間の快速電車の中で「最速」だったことが判明。こうしたことも高見運転士の運転に影響していたとみられる。捜査本部はJR西日本の定時運行重視の運行管理が安全運転を妨げた疑いもあるとして、ダイヤ編成の経緯に問題がなかったなどを調べる。

JR西、事故車掌が告白「とにかく死にたい…」

JR西、事故車掌が告白「とにかく死にたい…」


 107人の犠牲者を出した兵庫県尼崎市のJR福知山線列車脱線事故で、事故車両に乗務していた車掌が、11日発売の週刊文春の独占取材に応じ、追い詰められた心境を告白している。

 インタビューに答えたのは、京橋車掌区に勤務する松下正俊車掌(42)。同誌によると松下車掌は不眠や倦怠感を訴えて先月30日に大阪市内の病院に入院。病床で取材に応じたという。

 事故直前のオーバーランについては、「『おまけしてくれ』と、頼まれまして。『仕方ないかなぁ』という感じで」と、死亡した高見隆二郎運転士(23)の依頼を証言。

 また、事故発生の状況については乗務員としての非は認めながらも、「仕事上必要な責務は務めたつもりなんですが…」と語る。

 注目される現在の心境は、「夜も寝られへんでね」と睡眠薬を取り出し、「自殺を考えたりもしましたけど…とにかく死にたいと」と追い詰められた精神状況を披露し、嗚咽(おえつ)したという。

 遺族に対しては、「頭を下げて許されるのであれば。床に頭をすり寄せても」と話している。

 公共交通機関としての使命感や責任感の著しい欠如が指摘されているJR西日本。同誌のスクープを読む限り、松下車掌を含めて、関係者がすべてを語らない企業体質を感じざるを得ない。

2005年05月11日

「今度オーバーランしたら外される」高見運転士もらす

「今度オーバーランしたら外される」高見運転士もらす

 兵庫県尼崎市のJR福知山線で快速電車が脱線した事故で、この電車の高見隆二郎運転士(23)(死亡)が昨年6月、オーバーランし、訓告処分を受けた後、親しい知人に「次やったら、乗務を外される」と話していたことが11日、関係者の証言でわかった。

 関係者によると、高見運転士は「オーバーランの距離や、電車が遅れた時間を細かく書いて報告しないといけない。始末書もいっぱい書かされる」と落ち込んだ様子で話し、「今度、大きなミスをしたら、運転士をやれなくなる」と漏らした。高見運転士はオーバーランした翌日から、机上で運転の基本などを再教育される「日勤」を13日間受けた。

 運転士になる直前の昨年5月、知人と一緒に乗客としてJR片町線に乗った際には、先頭車両の運転台近くで、先輩の運転士から教わったブレーキポイントや速度確認の地点、速度などを書き込んだ路線図や、注意事項をメモしたノートを知人に見せながら、「これを覚えないと運転できない。運転士になるのは難しい」と説明していた。また、「先輩から『運転士になっても、うちの会社では、すぐに(乗務から)降ろされることがある』と聞かされた。そうならないよう気をつける」と話していた。

 この際、「(遅れを取り戻す)回復運転ができる運転士が優秀」ともいい、「回復運転は、運転の基本を示した正式な文書には載っていないが、先輩の運転士から口頭で教わった」と明かしたという。

2005年05月07日

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